もう何年振りでしょうか?
M-65のカスタムを作りました。
もう5年とかじゃないくらい作っていません。
M-65はその時で引退したのです。
辞めた理由となぜまた作ったのか?
辞めた理由は縫製の悪さとコンディションの問題です。
とにかく着こまれた個体が多く、
大丈夫だと仕入れた個体も傷が多いとか、
表は平気だが裏地がダメとか。
そんな事が多く、わざわざ加工するのに
コンディション問題は致命的でした。
辞めた理由は当時物のカスタムを辞めて、
オリジナル企画として作ると決めたから。
そのオリジナル企画を作らずに
時間が経過したので改めてM-65の構造と、
ダメな部分の確認したかったから作りました。
結論から言いますと
全てはコンディションです。
と言っても
やっぱり当時物にしか出せない雰囲気と
オーラがありましてそれは新品では絶対に勝てない。
気になる部分の検証として制作した
このM-65カスタムは我ながらよく出来たと思います。
まず、久しぶりに作るので
特別な個体で作りたいとUS NAVYの
SEABEESオリジナル個体を探しました。
これまでに当店では一度も扱った事のない
非常に珍しいSEABEESです。
ユーティリティシャツでも極めて少ないのに、
M-65となればもっと貴重です。
そんな個体でコンディションもとなりますと
どれだけ無いかがお分かりいただけるかと思います。
その個体を使ってユーティリティシャツ
ほどではありませんが、
再構築して仕上げたのがこの個体です。
まず洗濯です。
1枚1枚の汚れ等を見ながら最初の洗濯と、
つけ置きで綺麗にしていきます。
そこからコンディションチェック。
気になる部分のステッチ等を確認して加工へ。
不要なフードはカットしてフード収納を無しに。
背中に入れるモコモコが無くなりすっきりした着心地に。
これで無駄なパーツを1つ無くしました。
次はパーツ外しです。
袖先のマジックテープを外します。
首にもマジックテープで付ける
スタンドカラー固定パーツがあるので
それも外します。
メーカーや時代にもよるのですが、
衿の縫製ステッチに紛れ込ませる方法があり、
そこのステッチを解きながら外します。
これは仕上げの段階でステッチを足すので
全く問題ありません。
次に小さいサイズのフロントスナップボタンを
全て抜いていきます。
この作業がこのカスタム一番の難所であります。
これも製造年で使われるスナップの金属種類が違いまして
めちゃくちゃ硬くて外すのが困難な物があります。
最悪の場合は生地に穴が空くので
そうなるとフルカスタムには使えなくなりますので
処分する事となってしまいます。
それとM-65で一番不要なエポレット外しです。
袖付の本縫い、ステッチとは別に
エポレット付けのステッチが中に隠れていますので
3本のステッチを解いていきます。
そうやってエポレットを取り外す。
カスタムとは言ってもダメな部分の再構築ですので
丁寧で慎重な作業が求められます。
ここまではこれまでやっていた内容です。
今作からM-65ライナーは付ける人いないだろうと
裏地のジョイント用ボタンを外しました。
少しでも袖入れをスムーズにする為と、
わずかとは言え軽量化の為です。
この個体は胸にSEABEESステンシル、
胸にはネームセットが縫製されています。
縫製の糸が気に入らないので
色落ちする綿糸で縫い直しました。
まずは袖先をスナップボタンで止める
当店のオリジナルスタイルにしていきます。
袖の三角パーツは中に織り込まれますが、
外出しにしてるのがポイントです。
袖口のサイズを絞るのも
スナップ仕様にしております。
3個のスナップでサイズ調整できるので
重ね着に合わせて袖先のサイズが変えれます。
エポレットを外したので解いた縫製を
元に戻す作業も必要となります。
ここの縫製の悪さに嫌気がさして
辞めたくなる原因である事をやりながら
思い出します。
今回、あえてアルミジッパーの2ndタイプを
使わないでブラスジッパーの3rdに限定しました。
アルミの2ndはブラスよりも金属が軽いのですが、
経年でアルミのムシが飛ぶ事があるのも理由です。
わざわざここまでの加工をして
ジッパー壊れて欲しく無いです。
それとアルミの2ndからエポレット外すと
1stのパチモノを作ったと思われるのが嫌だから。
官給品のオリジナルへのこだわりも無ければ
価値も感じていないのであくまでも
着用物のカスタム材料として3rdを選んでいます。
エポレットの戻しでぐちゃぐちゃの中を
少しでも綺麗にして戻す。
カスタムとは見た目の事ではなくて
中身のアップデートだと考えています。
外すのが大変なフロントスナップは
さらに一手間かけて剥き出しのスナップ止めにします。
これでジッパーを使う回数を格段に減らせるのと、
ジッパーが壊れても問題なく着用できる仕様にします。
衿にはスナップがありませんが、
スタンドカラー的に着れるように
スナップを追加してスタンドカラー化します。
これで見た目のカスタムは終了です。
今作はSEABEES仕様ですので
手持ちのストックから右袖に特別な
SEABEESパッチを追加しました。
このパッチだけで普通のM-65より
高価な価格で取引されています。
見た目としてはこの完成度。
最後に裏地のチェックです。
表から見ても問題なくてもほつれとか
その辺をチェックしていきます。
この個体は裏地の縫製がシングルステッチと
チェーンステッチが混雑してました。
チェーンステッチは利点がありませんので
外してシングルステッチ化しました。
表は流石にバラせませんので
縫製の入れ替えはしていませんが、
裏地の無駄な引っ張りを無くせたのは
大きな進歩だと思います。
写真を撮影してから気がついたのですが、
裾に歪みが出ているので納品前に縫い直して
お届けいたします。
このように個体毎に違う縫製であったり、
裏地の素材が裂けやすいとか、
チェーンステッチが多いとか、
現物確認しながら進めるのでバラツキが大きい。
雰囲気も見た目も良いので
1972年製 SEABEESのM-65としては
究極の個体と呼べるのでは無いでしょうか?
S-R
スモールのレギュラー丈。
肩幅49cm 身幅55cm 着丈79cm 袖丈63cm
当店企画ですとMサイズ相当です。
ショート丈が好まれた時代もありますが、
M-65らしさはこのレギュラー丈が一番です。
コンディションも良いですし、
気になる分は修正済みです。
安心して愛用してください。
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